ミセルへの消光剤分子の分布

ピレン蛍光消光法をハイドロカーボン・フルオロカーボン界面活性剤混合系に適用し、混合ミセルへの消光剤分子の分布について検討した。図1に20mM LiDS-LiPFN 混合系におけるピレンの蛍光消光挙動を示した。縦軸は蛍光強度比であり、1に近いほど消光が抑制されているといえる。ハイドロカーボン系消光剤であるDPCを用いた場合は、全組成範囲にわたってよく消光が起っているのに対し、フルオロカーボン系消光剤のHFDePCを用いた場合では著しく消光が抑制され、モル分率が0.2から0.6の間ではほぼ一定の比であることが分かる。これはLiDSとLiPFNの非混和性により組成の異なるミセルが共存し、ピレンはLiDSリッチミセルに、HFDePCはLiPFNリッチミセルにそれぞれ可溶化されるため、お互いが出会いにくくなりこのように消光が抑制されたと考えられる。

図1.20mM LiDS-LiPFN 混合系におけるピレンの蛍光消光挙動 図2.界面活性剤および消光剤の分子式

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