高耐熱・軽量フェノール樹脂の合成
フェノール誘導体をオリジナルに構築し、多環芳香族やヘテロ原子を含むフェノール樹脂の合成を実現し,従来にない超耐熱性や溶解性、発光や柔軟性の発現を行っている。また、フェノール樹脂の軽量化を目的として,環状化合物を有するフェノール樹脂の合成を行い,元々のフェノール樹脂の機能を保ったままで密度を低下させることに成功している。このように原料化合物のデザインによりフェノール樹脂の未知の機能の創出に挑戦している。
PM金沢大学 理工研究域 物質化学系
我々の研究室では、世界で初めて人工的に合成された高分子の「フェノール樹脂」を用いた研究を行なっています。また、フェノール樹脂の原料であるフェノールを環状に繋げると、カリックス[n]アレーンやピラー[n]アレーンという環状分子になります。この分子は、様々なゲスト分子を取り込むホスト-ゲスト相互作用という超分子の力を発現します。私たちは、この超分子の力を利用したフェノール樹脂の高機能化と環状分子を利用した無機微粒子、ナノ炭素材料、多積層化合物とのハイブリッドを目指しています。最近では環境低負荷な高分子材料の構築にも力を入れています。
現在重点的に取り組んでいる研究テーマを掲載しています。
フェノール誘導体をオリジナルに構築し、多環芳香族やヘテロ原子を含むフェノール樹脂の合成を実現し,従来にない超耐熱性や溶解性、発光や柔軟性の発現を行っている。また、フェノール樹脂の軽量化を目的として,環状化合物を有するフェノール樹脂の合成を行い,元々のフェノール樹脂の機能を保ったままで密度を低下させることに成功している。このように原料化合物のデザインによりフェノール樹脂の未知の機能の創出に挑戦している。
カリックス[n]アレーンは、構成単位がメタ位でメチレン結合により連結したカップ構造の環状ホスト分子である。カリックス[n]アレーンの主原料であるフェノールを、レゾルシノールにすることで、カリックス[n]レゾルシンアレーンが得られる。この環状化合物はメチレン結合やフェノール性水酸基に挟まれた炭素に置換基を修飾可能である。さらに、カリックス[n]レゾルシンアレーンは水酸基により分子カプセルを形成できるため、この超分子構造の制御やカプセル構造の連結をこの置換基の自由度により試みている。
木材成分にはリグニンと呼ばれる成分が含まれる。リグニンはフェノール性水酸基を持った芳香環が3次元に架橋された構造の化合物である。多くは不均一な構造により溶解性を示さず、着色した素材のため廃棄には焼却処理がされている。構造中にフェノール樹脂に類似した構造を持つことから、樹脂の原料や改質に利用する素材とできれば、天然資源の有効化につながる。そこで、リグニン成分由来のフェノール構造を利用した添加剤・充填材、さらにはフェノール樹脂の原料化を試みている。
無機資源は、強度・熱特性・電気特性など、有機材料にはない特性を有している。無機資源として、ナノオーダーの板が複数個積層した多積層無機化合物がある。この資源は、板を構成する成分により「クレイ(粘土)」や「層状複水酸化物(LDH)」と呼ばれる。この無機資源は、板と板の間(層間)に物質を取り込めることから、吸着剤の利用が知られている。さらにその特性は、層間の有無・広さ・ぬれ性などで変化する。そこで、フェノール類の化合物を使った層間の新たなデザインを行っている。また板の材料を直接修飾して環境に配慮した材料創出に挑戦している。
現在の主要研究テーマから外した内容を、ここに残します。
カリックスアレーンは、構成単位がメタ位でメチレン結合により連結したカップ構造の環状ホスト分子である。 我々は最近、構成単位がメタ位ではなくパラ位で連結した新規環状ホスト分子”Pillar[5]arene”の合成に成功し、 そのホスト-ゲスト化学について研究を進めている。
構造と物性との関係を解明するため,構造が明確で重合度が制御された線状及び環状オリゴマーを合成し, 分子特性解析を行っている。最近,重合性を有する新規環状オリゴマーを合成し,その重合反応を検討している。 機能の解析として,新規環状オリゴマーおよびその重合物の超耐熱性や選択的イオン捕捉を可能とする機能性分離材料について検討している。 さらに,共有結合を介さないポリロタキサン型分子など特異な立体構造を形成する複合体を合成し, その構造と性質について解析している。
液晶構造を形成するセルロース誘導体と,熱可塑性を有する高分子からなる複合体の,相溶性と液晶性について系統的に検討を行っている。