高分子量フェノール樹脂の合成
高分子量フェノールノボラック樹脂の合成方法として有機溶媒中での反応を確立し,
得られた樹脂の分子量および分子構造を解析した。
その結果,重量平均分子量が100万を越える超高分子量区分が存在すること,
及び,分岐や環化構造により溶液中緻密な形態をとることが明らかとなった。
線状のクレゾールノボラック樹脂にも拡張を図り,その分子特性解析から,
フェノール系樹脂一般の基本的性質の解明を行っている。
液晶性セルロース誘導体−有機高分子ハイブリッド
Macromolecules 2008, in press.
Hot Topics, 高分子, 2008, in press.
さらに最近では、Greenな溶媒であるイオン液体を用い、
フェノール樹脂の合成を行っている。親水性のイオン液体を溶媒として用いると、
オリゴマーレベルのフェノール樹脂が得られるのに対し、疎水性のイオン液体を用いると、
高分子量のフェノール樹脂を得られることが分かった。さらに、触媒となるスルホン酸基を有するイオン液体を用いると、
揮発性の酸触媒を用いることなく、高分子量のフェノール樹脂を得ることができた。