新規環状ホスト分子の合成及び超分子構造の構築
J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 5022-5023.
カリックスアレーンは、構成単位がメタ位でメチレン結合により連結したカップ構造の環状ホスト分子であり、
一般的にフェノール誘導体とアルデヒドを塩基性条件下で反応することで合成できる。
一方、酸触媒下でフェノール誘導体とアルデヒドを反応すると、非常に反応性が高いために、
環状化合物は得られにくく、ノボラック型のフェノール樹脂が得られる。
そこで本研究では、反応性を制御することができる様々なルイス酸を用い、p- Dimethoxybenzene(DMB)とアルデヒドとの反応を行った。
その結果、ユニットが2,5位でメチレン結合によって連結した、
対称性の高い柱状(Pillar)の新規な環状物であるDimethoxypillar[5]areneを得ることができた。