平成21年度 「化学教育サロン」の報告
日本化学会近畿支部と石川化学教育研究会の共催で平成21年度化学教育サロンが平成21年10月3日(土)に金沢大学サテライトプラザにて開催され,30名前後の高校生,高校・大学の教員が参加しました.まず,金沢高校の四ヶ浦弘先生が「金属箔を用いた化学実験」と題して講演と演示実験をされました.白金箔を用いた電極による電気分解の実験は,電極が大きく視覚にうったえることができるので,学生の酸化還元やイオン化傾向などの概念の理解に非常に役立つものです.また,金属箔を用いた周期表を作成させる作業を通じて,金属元素の化学的性質を理解させる面白い工夫です.さらに,金沢高校の学生である清水君,高君,中谷君,江村さんは,現在,取り組んでいる実験テーマの紹介をしてくれました.つぎに津幡高校の寺澤幸平先生が「ろ紙上で行う化学実験」と題して,金属イオンの呈色反応などを紹介されました.ろ紙上ですべての反応が完結するため,スペースをとらず危険も少ないことから,環境にやさしい演示実験の一つの方向であると思われます.休憩をはさんで,金沢二水高校の鹿野利春先生が「大学や財団との連携の実例紹介」と題して講演されました.課題研究遂行のための大学との連携,高文連理科部セミナー実施のための大学との連携,科学の祭典や国際交流における財団との連携について,ご自身の経験にもとづきあるべき姿を提言されました.最後の「化学教育についての懇談」では,これからの高大連携を深めるにあたっての障害や問題点,方向性などが活発に議論され,来年度も「化学教育サロン」を継続して開催することを確認しました.
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